しおん/（34）

「抱かれる―彼女にすべてを委ねる夜」

男として生きてきた中で、

「抱かれる」

という言葉を自分に当てはめたことはなかっ

た。

だが、彼女に会った瞬間から

何かが崩れはじめた。



目が合うだけで、背中が粟立つ。

声が届くだけで、膝が崩れる。

女である彼女が、男である俺を……

“抱く存在”として、静かに存在していた。



「緊張してるの？……大丈夫、怖くないよ」

優しいのに、逃げられない。

｢ふふ…かわいいね。うん、凄く上手。｣



ベッドに横たえられたときには

俺の身体は“拒絶”ではなく“許容”で震えてい

た。



ペニ〇じゃない。

射精でもない。

もっと深い場所で、“快感が目覚める感触”。



女に抱かれるからと言って、男を否定する

わけじゃない。



男である俺が、女である彼女に抱かれる

腰が浮き、喉が詰まり、

ただ彼女に誘われて

自分の中に潜んでいた

“未知の快感”に溺れていく。



「女性に抱かれる」―

その言葉の意味は

あなたの身体で知ってほしい。



しおん(なにわのKERA使い)(´｡•ω(•ω•｡`)♡